現場中継ブログ
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耐震補強工事と瓦屋根軽量化工事/大阪市/T様邸
大阪市にお住まいのT様より、耐震補強工事のご相談を受け現場調査に伺ってきました。
T様のお宅は築40年ということで、当時の耐震基準は「震度5程度まで耐えられる設計(旧耐震基準)」で建てられていました。
いつくるか分からない地震に備えるには、建物の耐震性を向上させる必要があります。
当時の図面は残っていないものですから、現場では、一つひとつ目視で確認しながら、建物の安全性を確保できる工事を考案していくことにしました。
※1981年以降は「震度6〜7程度まで耐えられる設計」が基準となっています。
プランその1、屋根の軽量化
和風瓦からスーパーガルテクトに葺き替え
既存の屋根は土葺きの瓦屋根です。
屋根の重さは「非常に重い」「重い」「軽い」の3つに分けられるのに対し、土葺き屋根は「非常に重い屋根」に値します。
T様邸は、調査を行なったところ、土の量が少なかったことから「重い」に値していました。
屋根は重いと重心が高くなり、地震の際の揺れが大きくなります。
そこで、新しい屋根材が既存の勾配に適するかどうかを確認するため屋根の勾配をチェック。その上で地震に強い屋根材をセレクトしていくことにしました。
アイジールーフの「スーパーガルテクト」
新しい屋根材は「スーパーガルテクト」。
サビにくい金属「超高耐久ガルバ」を使った屋根材で、めっき層に含まれる「アルミ」「亜鉛」「マグネシウム」の成分がベースの鋼板を強力にガードします。めっき量も多いため「塗膜15年」「赤さび20年」「穴あき25年」の長期保証がついています。
断熱・遮熱効果の高さも魅力の一つです。
土葺き瓦屋根の葺替えをご紹介!
既存の屋根を撤去
まずは瓦を一枚ずつ丁寧にめくり、葺き土も撤去します。
土や塵、埃などの粉塵が舞わないよう、歩く際にも配慮しながら丁寧に作業を進めていきます。カプライリフォームが依頼をする屋根の解体専門チームは、解体時の作業がとても丁寧なので、お客様から一度も課題を頂いたことがありません。
瓦と土を撤去すると、防水シートや野地板が見えてきます。土葺き工法の瓦屋根の場合、バラ板と呼ばれる隙間のある木板がほとんどです。
次に、既存のバラ板に屋根の水平レベルを保つための下地材(胴縁)を打ち込んでいきます。
次に、仕上げ材を張るための「野地板」を張り、その上に水を染み込ませないための「アスファルトルーフィング」という防水シートを張っていきます。
仕上げ材の「スーパーガルテクト」を施工!
アイジールーフの「スーパーガルテクト」で仕上げました。モスグリーンが落ち着いた雰囲気です。
今回のリフォームで雨樋も新しく取り替えています。
プラン2、外壁の補修と塗装
既存の外壁は「モルタル壁」。つなぎ目のないモルタル壁は見た目にオシャレですが、経年変化でひびが入りやすいのが特徴です。
ひびを放っておくと、雨水が侵入し雨漏りの原因に。防水性をとり戻すための補修していきます。
ひび割れに沿ってU型に外壁をカットした上でプライマーとシーリングを充填し、保護材(カチオン)でしっかり埋め、丁寧にならしていきます。
次に壁を高圧洗浄で洗い、日本ペイントの「シリコンセラー」で3度塗りしていきました。
鉄部は錆止めを塗り、塗装を重ねていきます。
プラン3、ベランダの防水
ベランダは雨漏りはしていなかったものの、経年劣化が進んでいました。今後を見据えて防水工事を行うことにしました。
まずは、ベランダの汚れを落とし、穴埋めなどの補修を行います。
ベランダの隅にはコーキングを行い、防水性を高めます。
次に、下地材として透明のプライマーを塗っていきます。プライマーには、上塗りとの密着度を上げる役割があります。
防水材を2度塗りして、トップコートを塗れば完成です!
プラン4、室内の耐震補強工事
壁の補強に「かべつよし」を採用
耐震診断を実施し、綿密な補強設計を行います。できる限り解体しない方向で、強度を上げていくことで予算を抑えることができます。お客様と話し合いを重ねながら予算に見合った耐震工事を考案していきました。
トイレの窓をなくし耐震パネルを施工したり、どの壁にどの程度の耐震パネルを入れていくのが良いのか、プロとしてしっかり判断したりしていく必要があります。
耐震工事は大掛かりな工事になるため、予め予算が必要です。特に基礎は建物を支える土台になるので、通常ならばすべて解体してから行うものです。頭を捻らせ、ひと手間かけることで予算を抑えながらも耐震工事を実現させていきました。
基礎や壁、窓まわりを補強するだけの耐震工事もありますが、カプライリフォームでは、建物をトータル的に考えることで、お客様により一層の安心をご提供できるよう心がけています。
どれくらいの予算で、どれくらいの耐震工事ができるかについては、建物によっても変わってきますので、少しでも不安のある方は、まずご相談からお気軽にお問い合わせください。
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